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プレミアムフライデーはプレミアムな人たちのためだけになるからやめようよという話

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プレミアムフライデー構想なるものが、政府や経団連の間で計画されているらしい。

医療・介護業界で働いている僕から見れば、これ以上ない愚策中の愚策なのだが、なんでもおっ始めるために準備が着々と進んでいるとか。

プレミアムフライデーとはなにか?となぜプレミアムフライデーは失敗するのか?を書いてみる。

 

 

プレミアムフライデーとは?

プレミアムフライデーとは、「月末の金曜午後3時に仕事を終わらせてやるから、国民は買い物や食事や観光でカネを使わんかい」って話

たしかにデフレからの脱却のためには、長時間労働や有給消化率の低さにより「お金を使える機会」自体が少ない日本人にはちょうどよくも見える政策。

だが、絶対に失敗するフラグがすでに立ちまくっているとおり、プレミアムフライデーはもう死んでいる。

 

 

プレミアムフライデーは格差感を助長させる。

プレミアムフライデーが愚策だと思うのは、これはただ格差感を助長させるだけでしかないと思うからだ。

まず、プレミアムフライデーによって浮き彫りになる格差感をあげてみる。

 

①プレミアムフライデーを実行できる会社が少ない。

そもそも月末の金曜という忙しい時期に、社員を帰らせることができるほど余裕のある会社がいくつあるのか?

少子高齢化で、すでに医療・介護業界や運送業界では人不足で廃業に追い込まれている企業がある。

それにそもそも、日本型の雇用体系では個人に対する仕事量や責任が曖昧かつ膨大であるため、長時間労働や有給消化率の低さが問題になっているのに、前提条件の改革なしに時間だけ出させるというのがプレミアムフライデーだ。

 

②プレミアムフライデーを謳歌できる=特権階級?

政府や経団連はプレミアムフライデーを実行するために、大企業や公務員から率先して実行させようとしている。

これでは、「持てるもの/持たざるもの」を明確化するだけになってしまう。

プレミアムフライデーで買い物や食事をしている人々が、一種の特権階級のように見えてしまうからだ。

もちろん業種の違いもあるが、「持てるもの/持たざるもの」が目に見えるというインパクトは、格差感・疎外感を助長させ、大きな社会不安に陥ってしまうだろう。

現在のヨーロッパの移民との対立や、トランプの大統領選の勝利はその例だ。

 

③サービス業は蚊帳の外

先程の業種の違いだが、週末に早く帰らせてカネを使わせるのは良いことかもしれないが、そのカネを使うところが営業していることが前提だ。

よってサービス業の社員は、全く恩恵に預かれない。経営者は売上が増えて喜ぶだろうが。

それにサービス業につく親を持つ子どもたちはどうなるのか?

プレミアムフライデーが実施されれば、学校も休みになると言われているが、大企業や公務員の親を持つ子供は家族で楽しめるだろうが、そうでない子どもたちは一体どうするのか?

ただでさえ保育園が足らないと騒いでいるのに、平日の昼間に小学校や幼稚園から子供が帰らされた場合、サービス業につく親たちは負担が増えるだけでしかない。

まず、政府や経団連が勘違いしているのは、「店の売上が増えればすべての社員が喜ぶわけではない」ということだ。

 

 

あくまでも現在の情報から推測しただけではあるが、プレミアムフライデーを楽しめるのは大企業や公務員などの一部に限られ、さらにその家族にまで影響があると思う。

結局プレミアムフライデーとは、プレミアムな人たち専用になってしまうのだ。

たしかにプレミアムフライデーを広めるために、まず取り組みやすい大企業や公務員から実施するのは、プレミアムフライデー啓発にはもってこいかもしれないが、それによって階級・格差・疎外感のわかりやすい啓発にもなってしまう。

マルクスっぽいワードが出てしまうが、自分が働いている時に親子連れで楽しそうに買い物をしている姿を見た時どう思うだろうか?家には自分の子供が親を待っているというのに。

普段なら三交代や土日出勤が当たり前なので気にもしないが、プレミアムフライデーという枠を設けることで、そこに大きな溝が生じてしまう。

「プレミアムフライデー=目に見えない枠」として機能してしまうだけなのではないだろうか?

 

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プレミアムフライデーでガス抜きはできない。

プレミアムフライデーって結局何のためにやるのか?

まずお金のためだ。経団連が言っているんだから。

あとは昨今の労働問題の加熱に対するガス抜きいう目的もあると思う。

ワタミや電通に対するブラック企業問題がメディアでかなり取り上げられ、国民の関心も高い今日このごろ。非正規雇用や長時間労働など、日本の労働環境は劣悪だと海外でも取り上げられている。

「日本の労働」が今、ブレッブレなのだ。

 

このガス抜きとしてのプレミアムフライデーだとしたら、これまた大いなる勘違いだ。

「休ませてちょっと遊ばせれば良いんだろう。あとついでに金も使えや」と僕のような邪推家にはそう聞こえてしまう。

長時間労働は問題だが、それに対してただ時間を短くすればよいという話ではない。

時間の捻出方法については、ヨーロッパに良い例がある。

 

ヨーロッパで見た時間の2つの捻出方法

僕がヨーロッパを旅行した時、まず驚いたのは「店が開いていない」ことだ。

スペインでは特に、長い昼休みであるシエスタ、そして日曜日には、町はゴーストタウンのようになってしまう。

田舎に行けば、本当に誰もしなくなってしまい、観光客だけがウロウロさまようことになる。

フランスやドイツだと、何週間もバカンス休暇が取れる。僕の出会ったフランス人は電話一本で五週間も休めるようだ。それも毎年。

 

スペインは習慣として誰もがそうしている。その間は家族や友人と食事をしたり、休む時間として使われる。みんながそうしている。

これだと経済にはマイナスかもしれないが、体を休め、家族との時間を大事にできる。

メリットはとにかく休めて家族や友人と過ごす機会が増えることだ。

デメリットは経済が停滞する機会が増えること。

 

フランス人やドイツ人がなぜそんなに休めるかというと、移民がいるからだ。

休まず低賃金で働き続ける移民がいるからこそ、彼らはバカンスできるという一因がある。

メリットは長い休暇が取れるため、観光などで消費を促し、休憩とガス抜きができるため労働意欲が上がる。

デメリットは、バカンス休暇によって労働力が減少すること。それを補う移民のような労働力が必要なこと。

現在ヨーロッパで、移民によるテロ行為が頻発しているが、経済的な格差や疎外感が影響している。

 

この2パターンを見てわかるが、「時間の捻出」は全体だと経済効果は少なく、一部だと色々な差が生まれてしまう。

プレミアムフライデーは、フランスやドイツのような時間の捻出方法だ。

しかも長時間でないため消費もバカンス休暇のようには増加しないし、短時間過ぎてガス抜きにもなりにくい。短時間であるからこそ、限定的になってしまう。

プレミアムフライデーが生む時間だけで見ると、「短時間過ぎて恩恵も効果もそして利用者も限定的で小規模に終わる」だけで、無駄に格差感を助長させるだけでしかない

費用対効果というか、時間対効果が低すぎるように思う。

よって、ガス抜きどころか「すかしっぺ」にもならず、何だかお腹の調子が嫌な感じになるだけだ。

 

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まとめ

結局、こんな子供騙しをして小金稼ぎか小さなガス抜きでもするなら、もっと優先することがあるだろうと思う。

すべての取っ掛かりとしては良い案ではあると思うが、それにしては限定的すぎてしかも意図が読みづらい。

こんなことするならせめて、少子高齢化だし、育児休暇と保育園を充実させてママさんに働いてもらうとか、団塊世代をシルバー人材としてもっとうまく活用するとか・・・

 

・・・の前に、まずは余裕が必要だと思う。

経済的余裕と時間的余裕だ。

金がないから使えないしあっても貯金してデフレになるし、時間がないから金を使おうにも使えないしキツいばっかり。そして金も時間もないから、生きづらい世の中なのでは?

昭和の日本なら、時間がなくても一生懸命働けば、誰もがある程度豊かにはなれた。

今は長時間休みなく働いても、豊かにはなれないし、なれそうにもない。

だからまずは昔より給料が低く上がらなくなったのだから時間を返すか、時間を減らさないなら金を多く与えるしかないだろう。

結局、プレミアムフライデーは見せかけの余裕を与えるだけだ。それもすでに余裕がある人に。

 

まとめると、「労働環境の整備や待遇の改善をして少しでも余裕の底上げをしないでプレミアムフライデーなんかしても意味ないよ」です。

しかしこのプレミアムフライデーで沸き立つ議論は非常に面白い。

もう何も対策がないからこそ産まれた事案かもしれない。

これも人類史上初の超少子高齢化社会を迎えた日本だからこそ産まれたのだ。

日本はお手本がないとやばい方向に走りやすいお国柄。古は中国をお手本にしてそこから巣立つと戦闘民族となり、維新で欧米列強をお手本に近代化をしてそこから巣立つ(追い出された?)と戦闘民族となり、戦後の焼け野原からアメリカをお手本に経済復興をしてそこから巣立つとバブルでどんちゃん騒ぎ!

日本は今や先頭民族。面白くなってきやがった(次元風)

 

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