「GAFA」は危険なのか?

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

 

最近話題の本、「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」を読んだ。

GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonの4社のことである。

この4社は今までにない成功とパワーを持ち、そして世界をまたたく間に変えてしまった。

もちろん僕もこの4社すべてガッツリ使っている。特にGoogleとAmazonは、もうこれがない生活には戻れないくらいどっぷり浸かっている。

この本は、この4社の成功とその分析、そして強大なパワーにより我々が知らず知らず陥れられている危険性を語っている。 

が、バリバリ企業思考なわけでもなく、これといって株などの財産もない僕のような庶民の場合、ちょっと神々の闘いを遠目で見ているような遠い存在である。

なので、庶民の目でこの本から学んだことを書いてみよう

 

 

 

 

GAFA本当に危険なのか?

この4社がここまでの富と権力を手にした最大の原動力は、個人データである。

例えばAmazonは、オンライン書店から始まって、今や子供用オムツから巨大ロボットまで売っている。

Amazonは顧客の閲覧履歴や購入データをしこたま集め、それを分析し、「どのような人間がどのような商品がほしいか」を日夜調べ上げている。

なので、かくいう僕もAmazonのおすすめ商品を見ると、ドンズバリな商品が並んでいて感心してしまうことがある。

Amazonを10年近く使っている僕にとって、Amazonは嫁さん以上に良き?理解者になっている。

 

GAFAはこの膨大なデータを駆使して最適な答えを導くというツールを手にしている。

そこから最適な人物へ最適な広告を送ることで、彼らは収入を得ている。

まず挙げられる問題点は、個人情報についてだ。

たしかに、Amazonのあまりに的確な欲しいもの情報に、正直恐怖を感じる時がある。

いつしか現代人は、商品を選ぶという主体性を失い、Amazonに提供されているという現実をフツーに受け入れている。

Googleの広告なんかもっと怖い。

つまりGAFAは我々の無意識下にまでフリーパスで入り込み、家族も知らない/知られたくない情報までごっそり持ち出している。

 

だが、おそらく僕を含めた庶民は、ここに危機感を感じていない。

無料アプリもそうだが、「良いものがタダで使えるのなら、仕方がない代償」程度に思っている。

Amazonのおすすめ商品の精度が上がれば上がるほど、僕はより良い生活ができる・・・かもしれない。

最近では、もはや代償とすら思っていない人も多いだろう。

それほど、GAFAは世界インフラとして誰しもが認めている。

 

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GAFAの手口

だがそれもGAFAの巧妙な手口の成果でもある。

GAFAは世界中で大儲けしながら、ほとんど税金を払っていない。個人情報を大量に集め、それを政府や企業に流している。独占禁止法にも違反している。

だが、GAFAは世界中の政治家やマスコミや企業に金をバラマキ、その権力を駆使して、世界的忖度を築き上げた。

 

ここは特にGoogleがうまい。ジョブズやベゾスやザッカーバーグはほとんどの人が知っているだろう。が、Googleの創業者や社長の名前が言えて顔も一致する人はあまりいない。

Googleは何かよくわからない会社だ。もちろん検索やスマホなど、毎日使いまくっているのだが。Googleは独占禁止法の嫌疑から逃れるため、極力目立たないようひっそりと身を隠しているらしい。

それにGAFAの創業者たちは皆、大金持ちなのに非常に尊敬されている。※ビル・ゲイツは違ったらしい。マイクロソフトはそのため死ぬほど叩かれた。

彼らは皆、質素で小綺麗だ。高いカリスマ性と謙虚さ、そんなイメージも戦略的に作られている。

 

GAFAは莫大な資金と超優秀人材を駆使して、もはや国家すら凌駕するパワーを手に入れた。

彼らに少しでも触れようとした者は、大金で買われるか徹底的に消される。こうして彼らは、自らの地位を不動にすべく、日夜ロビー活動をしながら出る杭を叩き潰している。

こうなると、もう世界はお手上げだ。もしかしたら、GAFA以上の素晴らしい会社が生まれていたかもしれないし、GAFA以上に素晴らしいサービスがあったかもしれない。

GAFAはもはや神である。

 

 

GAFA以後の世界の危険性

庶民の皆様には、エリート中のエリートたちが働くGAFAには縁がないと思っているだろう。

そう、もちろん僕にも縁はない。むしろ我々庶民は、GAFAがもっと良いサービスができるよう、まるで応援しているようだ。

 

だが、GAFAが作り出した世界は我々が住みやすくなるとは思えないと著者は言う。

著者は言う。GAFAは所詮金儲けしか考えていないと。

まあそうだろう。会社なんだし。だが、一応選挙で選ばれる政治家などと違い、GAFAは金儲けしか考えていないにもかかわらず、世界的な権力を手にしている。

もちろん政治家なんかより、遥かに優秀なのは言うまでもないし、僕なんかは政治家に期待すらしていないし、Amazonの方がずっと頼りになる。

 

だが、GAFAは自分たちだけ(株主も)が儲けるようにできている。

四騎士は合計41万8000人の社員を雇用している。これはミネアポリスの人口と同じだ。四騎士の公開株式の価値は合計で2兆4000ドルである。

つまりこの第二のミネアポリスは、人口6700万人の先進国であるフランスの国内総生産に匹敵すると富を所有しているということだ。

 

この調子だとアメリカは300万人の領主と3億人の農奴の国になる。

今ほど億万長者になるのは簡単だが、百万長者になるのが難しい時代はかつて無かった

 

GAFAは少数のエリート中のエリートだけでこの莫大な金儲けを行った。

かつての大企業(フォード、インテル、日本ならトヨタなど)は、数百万人の雇用を支えていた。

GAFAにより創生された世界は、極端に格差が広がる恐れがある。GAFAはあらゆる産業を破壊し、中間層を崩壊させかねないからだ。

そしてGAFAで働く人間は、世界トップクラスの人材のみだ。

著者はこの危険性を語りながら、対策としては有名大学に入るのが手っ取り早いと言っている。ていうか、それしかない。

GAFAは我々に今までにない恩恵をもたらしたが、それと引き換えに我々は大変なものを作ることに協力したのかもしれない。

今や、GAFAくらい膨大な個人データを持っている会社はなく、GAFAくらい優秀な人材を囲っている会社はなく、GAFAくらい圧倒的な資金力を持つ会社はない。

もはや太刀打ち出来ないのだ。

 

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まとめ

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

 

小難しい内容のようにも思えるが、さすが大学のセンセイとあって非常にユーモアがありわかりやすい。それに訳も良い。

GAFAに対しての危険性は、たしかにそうだなと思いつつも、でも便利だし仕方がないっかくらいである。

だが著者の言う通り、もはや引き返せないレベルまでGAFAは強くなっている。

『今ほど億万長者になるのは簡単だが、百万長者になるのが難しい時代はかつて無かった』という言葉は非常に重い。

 

ついでにAppleのはなし

ちなみにAppleは、他の3社と少し毛色が違う。

Appleは著者いわく低価格な物を高価格で売ることができる唯一の企業らしい。

低価格とは悪いという意味ではないが、同じスペックのパソコンならマウスコンピューターなら半額近くで買える。

だが、Appleはデザインとブランド力でこの高い買い物を満足させることができている。面白い示唆でいえば、Appleのあの意識高い直営店が成功の要因の一つであるという。何度か行ったことがあるが、あそこは正直僕のような人間は居心地悪すぎて死にそうだ。

だがあの洒落た店で美しい作品を触り、それを買ってスタバでドヤ顔すれば、『あなたはライバルよりも優れて見えますよ(著者いわく)』とAppleは語りかける。

著者は、脳・心・性器を標的にすれば成功すると言っている。そしてAppleこそは、性器を標的にし、そして成功したという。

たしかにApple製品を持っているだけで、ジョブズっぽくなれる気がする。

そう、Apple信者とアンチApple勢力の抗争の火種は、まさしくここにあったのだ!!!