新築一戸建てに暮らして一年で感じた「良かったこと・後悔したこと」
新築一戸建てに住みついて早一年!
「家」は人生最大の買い物ですから、とにかく何でもかんでも情報がほしいと思います。
ということで、新築一戸建てに住んで一年の感想をとにかく書きなぐってみます!
- 無垢材床は意外に楽チン
- 収納はいくらあっても足らない
- ホーローキッチンは掃除要らず
- 2重サッシは温かいが結露もすごい
- 通気性は窓の位置が大事
- IHは騒音あり
- 壁紙は冒険しよう
- ベランダは広いほうが良かった
- 偽ルンバ&ダイソン掃除機
- エアコンは無理してでも良いのを買ったほうが幸せ
- 洗濯機は縦型?ドラム型?
- 洗濯の移動はやはりしんどい
- 庭は一瞬で草むらになる
- カメムシの城攻め
- まとめ
無垢材床は意外に楽チン
我が家はサクラ(カバ)の無垢材フローリングです。
無垢材フローリングはとにかく憧れまして、ここだけは譲れないので予算をぶち込みました。
無垢材は夏はベタつかず、冬も暖か、とにかく部屋の雰囲気を和らげてくれます。
しかし、手入れの面で躊躇している方も多いのではないでしょうか?
無垢材床は凹みや油汚れなんかが付くと、治すのはかなり困難です。
ウレタン塗装されたフローリングであれば、少々の汚れや傷は付きません。
無垢材でしかも無塗装の我が家の床は、そういったデメリットを常に意識しなければなりません。
が、一年住んでみてそんなに大きなキズや汚れは付きませんでした。
結論として、キズや汚れは無垢材の材質によると思います。
床材は、パイン、サクラ、オーク、ウォールナットと種類が多く値段もピンきり。
我が家はサクラにしましたが、値段的には中間でしょうか。
サクラは硬い木で、経年劣化により赤みがかったツヤが出るのが特徴です。
硬い木というのがポイントで、あまり傷が付きません。
しかし友人はパイン材を床にしたところ、子供がおもちゃを落とした時などにキズや凹みがかなり付いたようです。
パインは柔らかいので、衝撃に弱いという特徴があるからです。
無垢材を選ぶ際は、床材の特徴をきちんと考えて設定したほうが良いです。
あとひとつ言えることは、無垢材最高!
収納はいくらあっても足らない
我が家は夫婦ともに片付けができないタイプなので、思い切って収納だらけの家にしました。
各部屋にこれでもかと収納を設置!クローゼットや押入れだらけの家になりました。
お陰様で子供のおもちゃ以外は散乱していない状態をなんとかキープしています。
収納が多いと急な来客時もとにかくぶち込んでしまえば良いですし、同じ理由で掃除も楽です。
難点をいえば壁の殆どが収納扉なので、ポスターや写真を貼る場所が少ないことと、置き家具を設置する場所がないところです。
特に置き家具が設置できないのは以外に困ります。収納が多ければ良いと思っていましたが、手近に置いておきたい物を置く場所がないので、テーブル上に積まれていく傾向にあります。あと買ったばかりの本なんかも置き場がなくて困ります。
対策として「無印良品 ポリプロピレン頑丈収納ボックス」を買いました。これ超便利です。
ホーローキッチンは掃除要らず
タカラのホーローキッチンにしましたが、評判通りのメンテナンスの楽ちんさ!
汚れたところをサッと拭くぐらいできれいになりますし、ゴシゴシこするような掃除を未だにしていません。
衝撃にも強いので、鍋を落としてヒヤッとした時も無傷でした。
しかしホーローキッチンはデザインが最悪クラスのダサさでして、これは仕方ないですね。イメージとしては学校の家庭科室です。
中途半端なツヤがチープ感を醸し出し、全体のデザインをめちゃくちゃにします。
かといって無理にゴージャスにしても、質感は如何ともし難いのでよりチープになります。
あと食洗機ですが、想定より大きめのほうが良いです。
3人家族で4~5人用食洗機を使っていますが、容量が足りません。もう少し大きめの食洗機にすれば良かったと思っています。
2重サッシは温かいが結露もすごい
日本の家スカスカ問題を本で知り、断熱材とサッシは良いのを入れてもらいました。
おかげで多少冬の寒さは楽になったと思いますし、エアコンの効きがすごいです。
しかし引き違い窓はやはり寒さの最大原因ですね。利便性と安さを取って引き違い窓にしましたが、2重サッシでも駄目でした。
あと結露がすごいです。窓ビッシャビシャ。
ホルムアルデヒド問題のときのように単純に密閉性を高くすれば良いというわけでもないので、この点は予算配分が難しいです。
日本は多湿な夏と厳寒の冬があり、欧米の住宅を真似すればよいというわけでもないので、お住いの地域に合わせるのが一番だと思います。
通気性は窓の位置が大事
梅雨や夏時期はとにかく通気性一番。
湿気の多い地域なので、カビや暑さ対策には通気を良くすることが一番安くて効率が良いです。
ということで、全方角に窓を高低差ありで設置しました。これで一瞬で涼しくなり、空気抜けも最高です。家の作りもシンプルなので、風邪の抜けがとにかく良い家と工務店のおっさんにも好評でした。その分、凝った作りは出来ませんが。
あと玄関扉を網戸付きのものにしました。これなら外出時も通気性を確保できます。泥棒が入れないような小窓を網戸にして出かければ、湿気問題も安心です。これも全方角に設置しました。
難点は窓が多いので掃除が面倒なのと、冬は冷気の入口になってしまいます。
小さな通気用の窓は、密閉性の高い種類にした方が良いでしょう。
IHは騒音あり
はじめてIHにしたんですが、騒音と振動がけっこう気になるレベルですね。
個人差があるかと思いますが、夜間にちょっとコーヒーでも飲もうと湯を沸かしただけで、数分間「ぶ~ん」という音と振動があります。
うるさくて仕方ないレベルではないですが、ちょっと気にかかるくらいです。
IH自体は本当に楽ですし、子供がいるので危険性も少なくて良いです。
でもガスでしかできない料理(ダッチオーブンとか)があり、意外に盲点でした。
料理好きはガスが良いかもしれません。
壁紙は冒険しよう
我が家は超シンプルな田舎の工務店が建てやすい家。
そのため、数少ない個性を出すポイントを壁紙にしました。トイレは青、洗面所は黄色とけっこう攻めた壁紙です。
これで各部屋に陰影というか特徴が出て、意外に良かったです。
お客さんにはびっくりされることもありますが。
壁紙なら張替え費用も安いですし、冒険するならオススメです。凝った設計や天窓などはもし後悔したとしても、どうしようもないですからね。
ベランダは広いほうが良かった
洗濯は基本ベランダなんですが、もっと広くすればよかったです。
家族3人の洗濯物でも一杯一杯で、干し作業が非常に面倒。これに土日は布団も加わるので大変です。
軒先を長くしたので、多少の雨なら洗濯物が濡れないのは正解でした。
偽ルンバ&ダイソン掃除機
nounai-backpacker.hatenablog.jp
こちらの記事で書いたとおり、我が家の掃除は偽ルンバ&ダイソン掃除機の二刀流です。
偽ルンバでザッと掃除して、締めはダイソンにすればかなり時短&効率化できます。
偽ルンバは玄関から落ちたり、部屋の隅までたどり着けなかったり、そもそも部屋をある程度片付けないといけないので手間はあります。
逆に言うとルンバ系掃除機を使う家は散らかっていると何も始まらないので、自然と「ルンバが掃除しやすいような部屋」=「片付いた部屋」になると思います。
ダイソンは掃除にかかるまでのプロセスがほぼ無いので、掃除する気になりやすいという効果が大きいですね。
取り出してスイッチひとつで使えますし、そんなに重くないので取り回しも良い。コードレスの利便性は掃除に取り掛かる障害をぶち抜けるのでおすすめです。
エアコンは無理してでも良いのを買ったほうが幸せ
家電量販店やネットの情報より、エアコンは良いのを買えと念を押してあります。
我が家も17畳のリビングに20畳以上のハイスペックモデルなエアコンを設置しました。
20万以上しましたが、本当にすぐ部屋が快適になります。あと電気代も安いです。冬の間はかなり可動させていましたが、電気代が月一万円超えることはなかったですので、長期的なコスパは良いでしょう。
自分で勝手に掃除してくれるモデルなので、メンテナンスも楽ちんです。
このまま壊れないでいてくれたら、経済的な選択になることでしょう。
洗濯機は縦型?ドラム型?
我が家は縦型にしました。縦型は安いのと大容量だからです。
ドラム型のほうが経済的で取り出しやすいというメリットがありますが、修理費が高いことやそもそも本体の値段がけっこうします。
細かく調べたわけではないですが、縦型とドラム型のランニングコストはそこまで変わらない感じがします。水道代安い地域ですし。
ドラム型はこの記事を見て買う気が失せました。修理が大変みたいです。
洗濯の移動はやはりしんどい
洗濯機は1階、洗濯干しは2階になっています。
構造上仕方がなかったのですが、やはりこれがしんどい。
重い洗濯物をかごに入れて階段を登るのはけっこうきついですね。
運動だと思えばですが、年取ったらきついだろうなあ。
庭は一瞬で草むらになる
いや本当に一瞬です。
新築当初は土だったところが一年でカマキリが卵を生むくらいの大自然になりました。
ガーデニングとかの趣味がないので、放置しがちで気付けばびっくりなことに。
今年は庭木でも植えようかなと考え中です。
カメムシの城攻め
田んぼが横にあるため、秋から冬に変わる季節はカメムシが大量発生します。
カメムシは冬籠もりするために温かい場所を目指すらしく、我が家はまさに最高立地なのです。
ということで、晩秋の頃、我が家の白い壁にはまるで戦国時代の城攻めの如く、カメムシがよじよじと大量に登っています。
特に困るのが部屋の侵入。洗濯物なんかもカメムシに襲撃されます。
カメムシはガムテープでひっつけて密閉処理するしか無いので、非常に困りものです。
まとめ
最初は「吹き抜けなんか良いなあ」とか「屋上でバーベキューしてえ」なんて思ってましたが、工務店のおっさんにも不評だったので、工務店のおっさんが建てやすいシンプルな家になりました。
が、工務店のおっさんがいったとおり、シンプルなので生活動線の問題や致命的な後悔はほとんどありませんでした。
いや、本当にシンプルなので。
ネットや本で調査したところ、やはり凝った作りやデザイン重視の設計だとどうしても無理がかかるので問題が起きやすいようです。
個人の好みとその後のメンテナンスを天秤にかけて、「それでもやってみたい!」と思えば貫き通したほうが良いとは思います。
我が家も工務店のおっさんの反対を押し切って無垢材無塗装(ウレタン塗装を勧められた)の床にしました。
たしかに気を使いますが、やはり無垢材ならではの質感や柔らかな印象は他に変えられません。
あと派手な壁紙も、意外にしっくりきてます。
少しではありましたが、何かの役に立てば幸いです。
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『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』はコミュニケーションマニュアル本として読め!
現代人のストレスとは、ほとんどが人間関係だ。
特に会社では複雑な「仕事」をするために、多様かつ目的が違う人々とともに行動しなくてはならない。
そんな職場の人間関係の悩みを解決するツールとしてオススメなのが、『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』である。
著者のブログのこちらの記事がバズったので本になったとか。
こちらの記事だけでも有用だが、本は物語調でわかりやすく解説してある。
そんな本書だが、あくまでもコミュニケーションツールであると思って読んだほうが良い。
天才や凡人というのは一種の比喩であり、ようするに個人の目的意識やコミュニケーションの軸が違うことをまず認め、その中で円滑に人間関係を築くにはどうしたら良いかを綴ったマニュアル本だと思ったほうが良い。
ということで、レビューとマニュアル本としての使い方を書いてみる。
天才、秀才、凡人
天才=創造性
独創的な考えや着眼点をもち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる
秀才=再現性
論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる
凡人=共感性
感情やその場の空気を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける
本書ではこのように人間を分けて考える。
だがこれは能力の割合の話であって、天才=創造性100%という意味ではない。
誰しもがこの3様の能力を持ち合わせており、その割合の違いによって仕事の取り組み方やコミュニケーションが変わってくるという話。
個人的にオモシロイと思ったのは、「軸と評価」について。
友人にいくら野球の素晴らしさを語ったところで、そもそもスポーツに興味がない人とは会話が成り立たない。
これはスポーツに対する興味関心の軸の違いが決定的なのに、野球が好きか嫌いかの評価を変えようとするために起こる。
天才、秀才、凡人は、この軸が違うためにお互いが理解できない状況にある。
だからまず他者は理解できないということを認め、相手の軸に合わせてコミュニケーションを図ろうというわけだ。
そして事業は、天才が生み出し、秀才が管理運営し、凡人がフォローするという流れになる。
この過程で、天才が殺されるというのが本書のストーリーだ。
天才が生み出したものはたしかにすごいが、それを金に変え、事業を継続していくには秀才の論理的な管理能力が必要だ。
この創造性と再現性は折り合いをつけるのは難しい。ここで絶対的多数の凡人を引き込むためには、説明力が求められる。
しかし天才の創造性はこの説明力に欠ける。ジョブズがアップルから追い出されたのも、ジョブズの創造性がジョン・スカリーの論理的な説明力に負けたからだ。
なんせ説明力は数字や統計を使った論理性がある方が圧倒的に有利だ。ピカソの絵がなぜ素晴らしいのかと、数学の証明とでは圧倒的に後者のほうが理解しやすい。
結果として、創造性は論理的説明と多数決により敗北してしまう。これはベンチャー企業が大企業に成長すると創造性が低下するのと同じ構図だ。
ちょっと面白い見方をすると、これは政治にも言えると思う。
例えば日本の幕末のような激動期を例にしよう。
天才=吉田松陰
秀才=大久保利通、木戸孝允など
天才吉田松陰が、当時の人間では考えつかないような思想を生み、破天荒な行動により攘夷の機運を高める。
が、吉田松陰の思想は過激すぎて凡人にはついていけず、結局天才は殺される。
その後、吉田松陰が生んだ時代の空気を、大久保利通や木戸孝允などの秀才が「凡人の多数決を勝ち取るため」に論理的に構築し、明治維新を成し遂げた。
ナポレオンやロシア革命なんかも同じような構図に見えてくるので歴史好きには面白い。
ツールとして実践するには
本書の人間分別は、全くもって科学的エビデンスは無い。
が、非常に納得できる内容だ。
人にレッテルを貼るのは良くないと言われるが、この分別方法をコミュニケーションツールとして利用するのはビジネスに限らず有用だと思う。
①自分はどのタイプなのか?
まずは自分を知ることだ。
自分のタイプを知れば、今までコミュニケーションで失敗した理由がわかってくる。
ちなみに僕は秀才タイプだった。※本書には簡単な質問でどのタイプに当てはまるか教えてくれるテストがある
そして今までコミュニケーションで失敗したのは、決まって凡人タイプだということだ。
ちなみに秀才=有能という意味ではなくて、論理的思考が軸のタイプだと思ったほうが良い。
僕の場合は、仕事上の人間関係など本当は正直どうでも良い。ビジネスライクに努め、くだらない愚痴飲みニケーションは噴飯モノだし、早く帰って家族や趣味の時間を有効に使いたい。
なので、基本的に僕はあらゆる仕事を効率化することに務める。基本的に、僕のようなタイプからみると会社は非常に非効率的だ。
ということで効率化を推し進めるのだが、根回しが面倒なのでいつも古参社員などの保守派と対立する。だが今思ってみるとこの保守派・老害だと思っていた人たちは、凡人=共感タイプだった。
僕の効率化は、経営者や同じようなタイプの人間には評価されていたが、この共感型人間にはついていけないらしく、決まって足を引っ張られた。
もちろん日本の会社は空気を読み読み共感型経営なので、経営者や管理職も最終的破局期には味方してくれない。
気付けば経営者は効率化が図れてしかも悪役は僕に押し付けられたのでめでたしめでたしなのだ。
本書に出てくる悪役が皆、秀才タイプなのは日本の社会なら必然だろう。
とまあ愚痴はこれくらいにしておいて、自分のタイプを知ることで、コミュニケーションに対する傾向を理解できる。
たしかに僕は効率化を求めすぎてコミュニケーションがおざなりだった。個人的には効率化=善だから良いだろうと放っといておいたが、そうではない人もたくさんいるのだ。
まずは自分がどういう軸を持っており、それを他者に押し付けていないかを知ることが大事なのだ。
②自分の武器は何か?
しかしその個性は武器にもなる。
僕の非人道的論理的効率化は、一部の人からはかなり感謝された。
なんせ残業が無くなり、仕事に余裕ができるからだ。同じタイプの人間、もしくは子育て中で生活が忙しい人には感謝された。
天才タイプは、こういった仕事に意欲を感じないだろう。効率化への改善はたしかに創造性がないこともないが、決まった枠の中での作業だからだ。
凡人は共感を大事にするので、人間関係に波風が立ちやすい仕事は拒否するだろう。
このように、タイプにより特化した能力=武器は組織を運営する上で重要で、そのどれもが必要となる。
というか、これって武器なのだろうか?
僕はこの武器が、先程のコミュニケーションの軸の話と同質に見える。
これは「対象に対する捉え方」という軸の違いだと思えるからだ。
秀才タイプは、仕事という対象に対し、論理的な視点で望む。仕事の総量を確認し、どのようなサイクルで、どのようなシステムで、どのような・・・といったように、データ化して最適解を探そうとする。
凡人タイプは、まず人間関係があり、空気を読むことを優先する。
天才タイプは、対象に対し、より社会を良くするにはどうしたら良いかという視点で立つ。
このように、対象=仕事に対する軸の違いが、ここに書かれている個性となっているのだ。
結局、仕事をどう見ているかなのだと思う。
僕の場合、仕事とは処理するものであって、如何に効率よくするかを考えることが楽しかったりする。システムの穴を探すことが楽しいのだ。
まあ、そもそも労働意欲皆無なので、如何に楽に適当に処理して早く帰るかがモットーになっているけど。
③相手がどのタイプなのか?
職場の人間関係などどうでも良くてとにかく効率よく済ませてしまいたい僕のようなタイプは、このコミュニケーションが非常に面倒くさい。
かといってコミュニケーションできないと、効率化は不可能だ。
コミュニケーション障害なんて言葉があるが、共感力を左右するのは「対象を理解する気があるかないか」だと思う。
対象を理解するには、まず自分を曝け出さないといけない。これがハードルが高い。恥を掻くかも知れないし、プライドが傷つけられるかもしれない。
結局、コミュニケーションが下手な人というのは、対象を理解するための様々なリスクを恐れているのだ。
こうして勝手な判断でレッテル張りをして、相手を知る努力もせずにコミュニケーション不全に陥る。
これまさしく僕なんですけどね。
ここでこの本の登場です。
勝手なレッテル張りは、負の感情から始まっているので、コミュニケーションの動機にはなりづらいし、そもそもストレス。
なので、この本のタイプに合わせてレッテル張りをする。
天才や秀才や凡人だけでなく、創造性・再現性・共感性の能力値をRPGのパラメーターのように振り分ける。
そうすれば、対象をある程度客観的に評価できる。負の感情からのレッテル張りは完全に当てこすりの主観だが、パラメーター振り分けレッテル張りであれば、ひとまず相手を知ろうという冷静さを持ち得る。
例えば、A上司はゴマすりと責任逃れだけで生きているなと思えば、「創造性0・再現性3・共感性7」とか。10点を振り分けたり、各10点満点でも良い。
これである程度タイプを決めて、そのタイプに合わせたコミュニケーションを取れば案外うまくいくようになる。
なんせ今までコミュニケーションというか思考の軸が違ったのだから。
もちろんこのパラメーター振り分けレッテル張りは、ある程度の経験が必要だろう。
しかし、面倒だった人間関係がポケモンみたいになって多少楽になった。
④相手は何を欲しがっているか?
パラメーター振り分けレッテル張りが終われば、今度は相手が何を欲しがっているかを考えよう。
先程のポケモンで言えば、炎タイプのポケモンは草タイプに強く水タイプに弱い。この特性をうまく利用して、コミュニケーション・じゃんけんで打ち勝つのだ。
本書でも少しこのタイプ別の欲しがっているものが書かれている。
天才タイプは、創造性豊かだが、逆に他人に理解してもらえないことに悩んでいる。なんせ創造性は数値化し辛いからだ。だから創造性を評価してあげると喜ぶ。
秀才タイプは、論理的思考が得意なので逆に喋らせる。この「案件についてどう思うか」と聞かれた場合、以前その秀才タイプが話していた内容を挙げたあと、「もう一度教えて欲しい」と聞けば気を良くする。
共感タイプは、仕事の話より人間味ある話を聞いてやり、共感してやる。
またタイプにより相関関係がある。
天才タイプは、絶対多数の共感タイプに理解して欲しいが、秀才タイプには興味がない。
秀才タイプは、天才タイプに憧れと嫉妬心があり、共感タイプを見下している。
凡人タイプは、秀才タイプは勘違い野郎だと思っており、天才タイプは理解できないから排斥する。
この相関関係もうまく使えば、よりコミュニケーション勝者になれる。
今までの僕は、この相手のタイプを知ろうともせず、相手の欲しがっていることなどガン無視していた。
コミュニケーションが面倒だという人も、この相関関係を使えばマニュアルのように会話ができるのでだいぶ気軽になるのではないだろうか。
まとめ
まさにコミュニケーションマニュアル本だと思わんかね。
たしかになんのエビデンスもないレッテル張りでしかないが、人間簡易スケールのように使いやすい設定だ。
これがうまく当てはめることができたのであれば、システマチックに人間関係を俯瞰してみることができるので非常に楽ちんだ。
そして相手が求めているもの、相手の思考パターンなどを客観視し、最適解な返答ができるようになる。まさにオートマチックコミュニケーション!
しかし重要なのは相手への興味だろう。結局、相手あってのコミュニケーションなので、主観的な視点だけでは感情が先走ってしまう。
この本の最重要な視点とは、「人間の特性をパラメーター化してしまえば、人間関係を理解できる」という謎の自信を持つことができることだ。
「はは~ん、貴様は秀才タイプだな。しかも共感よりの」と、誰でも名探偵コナンになれる。そうして相手への神の視点=マウントポジションを取れるという幻想を手に入れることで、コミュニケーションにありがちな緊張やストレスを和らげるという効能がある。
個人的には、もっと酷いレッテル張りをして対人関係に対処していたが、総じて失敗に終わっていたため、この優しさ満ち溢れた人間簡易スケールを利用していこうと決心したわけだ。
かくいうあなたは何タイプ?
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結局息苦しいのはシステムが原因なのか?
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