『特に30歳前後の』男性が喜びそうなオススメ映画まとめ

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男が好きな映画は数多いけれども、特別に男性支持が圧倒的な映画というのもある。

そんな野郎臭い映画が大好きなので、まとめてみたのだが、どうも30歳という自分の年齢にも寄りまくった選択だというのが否めない。

長寿化と晩婚化進む日本では、30歳とはまだまだ若者。

だが、ちらほら身を固めて家を建てたり子供が産まれたり出世したり落ちぶれる人間が出てくる「現実感」満載の年齢。

そして「子供の頃になりたかった大人像」とはかけ離れている自分を認めざるを得ないアイデンティティを崩しかねない迷いの年でもある。

そんな30歳前後の男たちが好きそうな映画をまとめたので一緒に見ながら哭こう!

 

 

 

 

マッドマックス怒りのデスロード

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30歳ともなれば、「好きな映画は何?」なんて聞かれた時に、それなりの答え方をしなければ、それだけで人格から将来収入まで確定させられそうな危うい年である。

「アルマゲドンかな!」と言うのも気恥ずかしく、「小生はショーシャンクの空にです」何ていうのも今頃かよ感があり、「・・・白蛇伝」とかパヤオかよ!ってなるし、「う~ん、クリストファー・ノーラン作品かなあ」くらいがベターではなかろうか

 

だがしかし!

30歳という子供から大人への飛翔期にこそ、一番脳髄の奥にガツンと決まるのはこれしかない。

マッドマックス 怒りのデス・ロード」である。

意識高いIT社長だろうが、社畜企業戦士だろうが、ニートだろうが、誰も彼もこのマッドマックスを見れば、心臓は高鳴り、アドレナリンが鼻から迸り、エンディングでラオウのように立ち上がるだろう。

 

この映画には、「おとこのこのあこがれ」が調理も味付けもなく、そのままガッツリ煮込まれている。

なんかかっこいいくるま、なんかやばいわるもの、なんかうるさい、なんかどはで、なんかとげとげのふく、なんかうちまくる、なんかだいばくはつ、なんかきれいなねえちゃん、なんかしめいかん、なんかゆーとぴあ、なんかぜつぼう、なんかしぶい、ともかくイモータンジョー・・・・

この映画を見れば、自分が男であり漢であり益荒男であったことを思い出す。俺達が夢見た世界はこれなのだ。

破壊からの再生、女の子たちが作っていた砂場のお城を蹴り上げることこそ、悲しいけど男の夢なのだ。

社会に疲弊し、身体と精神は弱り、いつしか忘れていた「僕の考えた最強の僕」が、スクリーンの中で大活躍する。

これぞ、迷える30歳のハートを鷲掴みに、いや、ハートを掴むっきゃない最強の映画なのだ!

※これだけは信じてくれ!地平線は観ても吹き替え版は絶対に観るんじゃねえ!Byスリット

 

 

 

 

 

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア (字幕版)

この写真だけで、男はクラっときているんじゃないだろうか?

男は何だかんだ葉巻に憧れており、ボロボロに汚れることがカッコイイことであると誤認しており、このヘタっとした感じがまた何ともカッコイイのだ。

このドイツ映画は、余命幾許もない二人の男が、とある事情でマフィアの大金を手に入れ、そのカネで今までやりたかったことにパーッと使っちまうというストーリー。

もちろんマフィアに命を狙われ、警察にまで追われるというこれまた男が好きそうな映画。

 

とにかく男という生き物は、何事にも主役を張りたい生き物なのだ

その主役とは、ディズニー映画の王子様・・・なんかではなく、巨大組織(政府やマフィア)に追われることなんかまさに理想。女性はサクセスストーリーが好きなようだが、男は傷だらけの天使的な主人公を好む。

鶏口となるも牛後となるなかれ的なアレね。

 

この映画はとにかくそんな「男のやりたそうなこと」が盛りに盛られている。しかもストーリーは北海道のように透き通ったド直線であり、難解さの欠片もないところがまた良い。

こんな太く短い人生を歩みたいと願いながら、ブラック企業に向かう姿こそ、男の最高にかっこいい瞬間なのだ。これは女性には死んでもわからない男の美学なのだ。だから小遣い上げてあげて。

 

 

 

 

ストレイト・アウタ・コンプトン

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男ってのは、こんなみんなでまっすぐ並んで歩くのが大好きです

Gメン'75とかレザボアドッグスとかのね。似たような服装だと尚良し。ちなみに横に並んで歩くとサザエさん一家みたいになるので要注意。

この映画はNWAというアメリカでヒップホップブームを巻き起こしたDQNたちの実話。

 

全米でも最悪に治安の悪いカリフォルニア州コンプトン出身の若者たち(クスリの売人とか)が、ヒップホップを武器に成り上がっていく「永ちゃんストーリー」だ。

男というのは、石油王の息子よりも、貧困から成り上がっていく男たちが好きなのだ。※でも次に生まれ変わるなら石油王の息子になりたいとも願う

彼らは莫大なカネと人気を手にし、時代の寵児となるが、それが原因で仲間割れを起こし、次第に汚い大人たちの手に落ちていく。

この汚い大人たちというのは、男なら誰しも、特に30代の男たちは肌にジョリジョリ感じている。そしてその汚い大人たちに近づいている自分に気づくのもまた悲しい。

 

あとヒップホップというのは、反骨精神モロ出しなので、男の願望とも親和性が高い。反骨精神というのは、エディプス・コンプレックスの正統進化系である。親や先生に隠れてタバコを吸うのもこれ。

 

とにかく決まり事から少々逸脱する瞬間こそ、自らの生を体感できる。これぞ自己像が確立していない証拠なのだが、そこにこそ男の美学がある。誰もが妥協して自己像を押し付けられている中で、この映画のように自分の主張を振りかざして、そして見事に散っていくさまに男の憧れがあるのだ。

 

 

 

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ちなみにこの映画のような成り上がりからの人生転げ落ちジェットコースタームービーは、我らがスコセッシ監督の得意とする男なら誰でも共感できるストーリーである。そんな中でも選りすぐりをまとめたので是非一読あれ。

 

 

トレインスポッティング

男性悶絶キュンキュン映画を作りたいのなら、とても簡単な手法がある。

オープニングをとにかくカッコよくすれば良い。お手本はこちら、「トレインスポッティング」なのは言うまでもない。

もはや古典に属すレベルの名作だが、このオープニングを越える映画はなかなか出ていないように思う。

先程も述べたが、男は強いものに追いかけられている姿にキュンとくる。このオープニングでは、追いかけ役のエース・警察官から、エディンバラの町を疾走しながら逃げる二人の男から映画が始まる。 

そしてこの逃走する映像へ、サブリミナル効果的にメインキャストの紹介を混ぜ込む。この2分足らずのオープニング映像だけで、彼らがどんな人間でどんな人生を送ってきたかすぐわかってしまうくらいの完璧な情報量を注入するダニー・ボイルの職人芸には脱帽だ。

 

この映画は、シャブ中無職の超絶ダメ人間たちが、ダメ人間らしい思考で一攫千金を夢見ながら、結局ダメ人間のままで終わっていくという輪廻の中から抜け出そうとする一人の青年の物語である。

この成長への葛藤は、男の人生のテーマである。別に悪い奴やダメな奴だけではない。男はどこかで「選択」しなければならない。

そんな人生の選択は、いつまでも引き伸ばせるし、今すぐ決断することもできる。だが、たいていの男たちは、何だかんだ言って伸ばせるだけ伸ばしてしまいたい。足を引っ張るやつもいる。それは地元だったり悪友だったり、そして親だったり。だけれども、いつかは決断しなければならないのだ。

この葛藤を、ヘロインを混ぜながら上手く表現しているトレインスポッティングは、永遠の健康優良不良少年映画なのだ。

 

 

 

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ちなみにトレインスポッティングから20年後の主人公たちを描いたT2が公開されている。これは不健康不良オヤジ映画になっており、前作をリアルタイムで見ていた同世代のオヤジたちは90%が咽び泣くという都市伝説があるカルトムービーになっている。

 

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ハングオーバー

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男の友情映画の最高傑作。

男のだめなところは、アルコールに浸すと浮かび上がってくる。

独身最後の夜を満喫するためラスベガスにやってきた悪友たち。どんちゃん騒ぎをして、極度の二日酔いの中で目覚めると大変なことになっていた。もちろん記憶がない。友情を武器に、自分たちがしでかしたことを一つずつ追っていくというある意味推理ドラマ。

 

男の友情をテーマにした映画は、戦場や犯罪物が多いが、本来の男同士の濃厚なコミュニケーションとはまさにこの映画のバカたちだろう。

いや、マジで下品で低俗な糞映画だが、これを観て腹抱えて笑わない男はまずいない。どんな堅物だろうが、「男にしかわからない」というやつだ。

彼らはとにかく喧嘩ばかり、笑ってばかり、泣いてばかりと感情豊かでまるで少年のようである。もちろん半端ないことをしでかしているのだから、それどころではないのだが、悪友でつるめばそんなことすら面白くなってくる。

この微妙な関係性こそが、男の友情だと思うのだが。

ちなみに自分も似たような経験があるが、朝起きて全裸だった時の恐怖感といったらない。即刻、友人たちに電話しよう!

エンディングロールは必見!

 

 

タランティーノの映画

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タラちゃんは、男心わかっているよね。

映画オタクだが、カウボーイとかサムライとかヤクザが好きなところはまさしく男子の中の男子。

そんなタランティーノ映画は、まさしく男の好きそうなエキスを散りばめたピザみたいな映画になるのはいうまでもない。

特に良いのは初期の「レザボア・ドッグス」や「パルプ・フィクション」や「ジャッキー・ブラウン」なんかは特に顕著。

 

だいたい男らしくキメた格好の犯罪者が、やたら喋りまくる。トーク内容は、下品かつなんちゃって知的、まるで正当性はなく、食いすぎたから吐いているような感覚に近い。

だが、このすべてがしっくりきている。ゆるっとしたスーツ、妙なダンス、古い日本車、チョイ役のブラピ、何もかもがしっくりきているのだ。

この「しっくり感」は、男の美学の一つである。制服のようにバシッと決める感じではない。ちょっとハズした感じ、ちょっと照れ隠しな感じ、ちょっと背伸びした感じ、ちょっと子供な感じ・・・難しいが何となく分かるだろうか?

この顕著な例は、一時期流行った腰パンだ。あれがカッコイイか悪いかは別として。

 

タランティーノ監督は、この男にしかわからない感覚を、映像・言語化に成功した数少ないクリエイターの一人である。

女性にはまずわからないであろう、わかりやすい典型例をあげよう。

イングロリアス・バスターズ」という映画で、捕まえたナチス・ドイツ兵を、ユダヤ系のアメリカ兵がバットで撲殺シーンがある。

これは、ただのグロテスクシーンではない。この数分の描写に、超濃密な雑学がブチ込まれてごった煮されている。ここにタランティーノの手腕が詰まっている。

 

タランティーノ脚本映画も面白いのが多い。「トゥルー・ロマンス」なんかは特に良い。

 

 

her/世界でひとつの彼女

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恋愛映画をあげるなら確実にこれ

恋愛映画というのは、どうにも男性目線か女性目線に偏りすぎる傾向がある。結局、男対女とか、男と女の違いみたいなところだけが取り上げられている。

まあ、それはそれで面白いのだが、この「her/世界でひとつの彼女」は少し指向が違う。

 

この映画は、人工知能型OS彼女に恋する男が主人公だ。

スマホのアプリゲーム感覚で初めた主人公だが、どんどん実体のないOS/サマンサに惹かれていく。

男性目線映画と見せかけて、恋愛をベンジャミン・バトン的すれ違いを使って感情部分だけを上手く表現している。

人工知能なので、設定は最初から主人公にゾッコン状態になっている。主人公は徐々に自分をわかってくれる(学習)サマンサに惹かれていくが、サマンサは違う方向へ進化してしまう。

この過程が、今までにないセンチメンタルさで、何だか泣けてくる。

ちなみに男性でも共感できるということで、女性は男性心理を知る上で必見である。

 

 

ファイトクラブ

でも結局はこれしかない。

男の中の男が選ぶ男、タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)像こそ、男の中の男である。ちなみにこの「男の中の男」とは、男たちの中からという意味ではなく、男の「中の人」 である。それすなわちタイラー・ダーデンと主人公、ジキルとハイド、天使と悪魔。どっちかどっちかは見る人によって違う。

紙面語りなさそうなので、リンクを貼っておきます。

 

 

 

 

まとめ

他にも腐るほどあるが、ベタで定番でしかもとっつきやすいのはこの辺だろうか。

GONINとかビッグ・リボウスキとかJSAとかメメントとかアメリカン・ビューティーとか・・・・

でもでも、いくら御託を並べど本質的に男というものはとどのつまり『ワイルド・スピードシリーズ』が大好物なのだ。

新生児から老衰寸前の爺まで、男はワイルド・スピードで良いのだ。かっこいい車でバーっと走ってマッチョがいっぱいで美女もいっぱいでドッカ~ン!が楽しいのだ。

最近話題のバーフバリをまだ観ていないのだが、この中に食い込みそうな予感がする。

 

おまけ:女性が怖くなる映画

親切なクムジャさんゴーン・ガールドラゴン・タトゥーエクス・マキナ

この映画たちを観れば、日本少子化まっしぐら!

まあ結局男も悪いんだけどね。女性を怒らせたら怖いという不文律を謳う教育映画である。

 

 

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30代にはドンピシャのベタ映画たちです。おすすめです。