「ヤバい経済学」を読んで常識をぶち壊す。

 

 

ヤバイ本を読んだ。

ズバリ「ヤバい経済学」だ。

なんせヤバイ、チョーヤバイ、もうヤバイとしか言い様がないくらいヤバイ。

経済学よりも統計マジック的な要素が強いが、経済学を駆使して世の『作られた固定概念』を容赦なくぶっ壊すニヒルな怖さ。

ヤバイ!

 

目次

 

常識に潜むカラクリ

この本はケインズやマルクスなんかの専門用語だらけな経済学本では決してない。

経済「学」をあざ笑い、経済の根底に潜む「ヤバさ」を深夜に花火で打ち上げるようなヤバイ本だ。

まず、ほんの一部だがヤバさを紹介。

 

アメリカの犯罪が90年代に大幅に減少した。

これに人々はあらゆる「原因」を持ってきた。

政治家は自分たちの治安対策の成功だと言い、警察もそれに乗っかり、そして税金を流し込ませようとした。

学者は高齢化や景気の上昇が原因だと言い、反銃団体は銃規制の成果だと言った。

だが実際の所はと言うと、「70年代の中絶の合法化」が真の原因だと著者は言うのだ。

ロー対ウェイド事件により、中絶が合法となり、貧困層の恵まれない・望まれない子供=犯罪予備軍が減少したことで、犯罪が大幅に減ったという「結果」が現れた。

この「中絶」はトランプが政争の道具に使うほど、キリスト教徒の多いアメリカでは根深い問題であり、未だに論争は絶えない。

まさかそんな中絶が巡り巡って犯罪率の減少につながっているとは誰も気づかなかった。

なぜなら、「原因」である中絶合法化運動は、そもそも犯罪と何の関係もなく争われていたからだ

いわゆるバタフライ効果と言うやつだ。

中国で蝶々が羽ばたいた事により、巡り巡ってアメリカでハリケーンになるというカオス理論の有名な例。

ある結果に対しても、誰もが予期していなかった原因がある。

これが経済学の手法によってあぶり出されたのだ。

 

他にも相撲の八百長や、ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜか?、インチキ教師や不動産屋などなど、とにかくヤバイ実像が浮かび上がっていく。

 

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原因と結果を結びつける思考

この本は、冷静かつ客観的にデータから原因を導き出す手法が書かれている。

常識や統計マジックに惑わされない思考、これこそがヤバイ経済学だ。

文系の私めにはさっぱりだが、こういった視点というのは非常に大事である。

そして今こそ、このヤバイ思考が大切だと思うのである。

 

昨今は、トランプ大統領を代表とする感情の時代

トランプ現象を見事言い当てた「啓蒙思想2.0」でもあったが、「理性を軽んじる時代」だ。

決してエリート主義讃歌ではないが、短絡的な過剰反応の思考では、決して20年前の中絶が犯罪率の減少につながっているという答えにたどり着けない。

逆を言うと、悲劇的な「結果」に向かう「原因」を簡単に作り出してしまうかもしれないのだ。

 

だがだが、(日本も同じだが)エリート層やマスコミのトランプ叩きは、愚の骨頂でもある。

トランプを生んだ「原因」は、エリートやマスコミなのだから。

グローバル化を言い訳に格差を広げていった首謀者たち(資産家・知識層・マスコミ)がいくらトランプを叩こうとも、トランプを支持するのはその「原因」から産まれた「結果」である人たちだからだ。

 

日本でも政治離れマスコミ離れは進み、意識高い系を叩いたり、不祥事を起こした芸能人を叩きのめしたりと、トランプ現象にも似たような排他的な現象が起こっている。

クドいほど流れる「日本礼賛番組」や、中国・韓国へのヘイトクライムも、トランプ現象と遜色はあるだろうか?

だが支配層への怒りが、いくつか実を結び始めてもいる。保育園問題や電通の過労死などが、大きな社会問題化し、政治が動き始めている。

これも、「原因」と「結果」だ。

ヤバい経済学を読むと、そんな気がしてならない。

 

まとめ 

経済学とかいう以前に、数字に弱い僕でも楽しく読めたヤバイ経済学。

経済学というよりは、統計を駆使した雑学本でもあるが、やはりデータに踊らされない思考を持つというのは非常に大事だと思う。

民進党のプラカードとかに惑わされる人はいないだろうが、ちょっとした数字でも鵜呑みにせず、しっかりと理性的に原因と結果を導き出せるようにならなくてはね。